虹釜太郎の日記

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『雪だるま』

『雪だるま』なぞ一生読むとは思わなかった。が、たまたま読んでみたところ……

 

 

矢崎源九郎の訳がよいせいか繰り返し三回読んでしまう。

源九郎。訳者の名前よい。

「おまえは、なんにも知らないんだね」「それもそうだな。おまえは、ついさっき、作ってもらったばっかりなんだからな」

…こういう箇所を繰り返し読んでいると、なにかに似ている。あ西村賢太だ。

賢太の『歪んだ忌日』を思い出した……バトルDJの毎度毎度のテク。ものすっごいワンパターン。「きょき」「ちょうちゃく」(各自要変換)(「きょき」はガラケーで一発変換などあり得ない)と「いっぱしローンウルフを気取っている」の使用バランスが毎度毎度のテク。もうどんなにワンパターンだろうとすらすらすらーっと。壮絶な初太刀ワンパターン。しかも誰もこの初太刀は返せない。ヴェイパーウェーヴより西村賢太。リズム感が並外れなのは黙読でも音読でも強度がまったく変わらないとこからも明らか。音楽だとQバートみたいな存在になるのかな。Qバートのスクラッチも古いも新しいもない。賢太の小説に秋恵が登場するたびになぜかボカロのメイコの悲運を重ねるのは自分だけなのか。秋恵ノスタロジック!

秋恵ノスタロジック!だよなあ…じゃない。『雪だるま』の話だった。作者はアンデルセンアンデルセンは『眠りの精』のラストも相当にずっこけます。正直お笑いのようつべを遡って行き詰まるよりよっぽどおもしろい。源九郎の訳がいいせいもあるでしょう。

 

 


『雪だるま』アンデルセン